近年、日本のコンサルティング業界は大きな転換期を迎えています。これまでの「DX(デジタルトランスフォーメーション)ブーム」によるバブル期を経て、現在は市場規模が2兆円を突破。しかし、その内訳は単なる「IT化の提案」から、より具体的で高度なフェーズへとシフトしています。
今回は、近年のコンサル業界を形作る「3つの主要トレンド」と、これからのコンサルタントに求められるスキルについて解説します。

トレンド1:生成AIは「相談」から「現場実装」のフェーズへ
これまで「AIをどう活用するか」という経営層のブレスト相手だったコンサルタントですが、現在は「生成AIをいかに実業務へ組み込み、コスト削減や新規事業を生み出すか」という実装フェーズの支援が主軸となっています。 「AI・データ活用」に関するプロジェクトや求人は爆発的に増加しており、従来の汎用的なITコンサルティングから、より専門性の高いAI実装・組織再設計へのシフトが顕著です。
トレンド2:自前主義の限界による「戦略×M&A」の急増
市場の不確実性が高まるなか、企業が自社のリソースだけで変革を行う「自前主義」には限界が見え始めています。そのため、企業の根幹を揺り動かす経営戦略の立案と、それを最速で実現するための「M&A(企業の合併・買収)」をセットにした案件が急増しています。 戦略を立てるだけでなく、買収後の企業統合プロセス(PMI)までをワンストップで伴走するファームが強い支持を得ています。
トレンド3:社会的責任の「実行」を支えるサステナビリティ領域
ESGやパブリックセクター(官公庁・自治体)の案件も一過性のブームを終え、完全に定着しました。脱炭素経営の「宣言」にとどまらず、サプライチェーン全体のCO2排出量の可視化など、複雑化する社会課題への「具体的な解決策」を主導する役割がコンサルタントに求められています。
求められるのは「AIと共存し、人間独自の価値を出せる人材」
市場が拡大を続ける一方で、業界内では「二極化」やファームの淘汰も始まっています。 AIの進化により、これまで若手コンサルタントが担当していた「単純な市場リサーチ」や「スライド作成・データ整理」といった作業は急速に自動化が進んでいます。
これからの時代に市場価値が高まるのは、以下のような人材です。
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AIを前提とした新しい業務プロセスや組織をデザインできる力
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M&A時などの、複雑な利害関係や組織文化の融和を主導する人間力
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企業の「自走」を促すためのリスキリング(学び直し)支援ができる教育力
まとめ
日本のコンサルティング業界は、規模としては堅調に拡大しているものの、その中身は「作業型」から「成果コミット・社会課題解決型」へと激変しています。
変化のスピードが速いからこそ、常に最新のテクノロジーを使いこなし、人間にしかできない経営判断や泥臭い実行支援に注力できるコンサルタントやファームが、今後も選ばれ続けることになるでしょう。